Masayuki Takizawa .WEB

フルート奏者 滝沢昌之のウェブサイト
<群馬県館林市のフルート教室>
<フルート演奏委託>
<公演企画制作>

FLUTE COLLECTION

所有楽器
好みで選ぶというより、史実を知る、という感性を大切にします。

オールド・ヴィンテージを中心としたフルートです。歴史的に貴重なフルートばかりで、これらのフルートと共に暮らす中で過去の事実を知り、製作者の思いや、歴代の所有者の魂が、今の自分に様々なことを示唆してくれます。そして息を入れ続けることで名器を良い状態に保ち、次の世代へ継承したいと考えています。



Louis Lot 木製
初代 Esprit(1855-1875) 円錐型(コニカル管)コーカスウッド 1370番台(1870年頃の作品)

完全オリジナルな上に、ランパル所有の有名な、エスプリ唯一の金製フルートと相互に隣り合うシリアル番号です。初代ロットの円錐管ベーム式フルートは、ある意味フルートの理想の形です。音色も姿も美しい、博物館級のフルートです。よく言われるように、初代ロットは別格、次元が違う、という事を納得、実感させてくれるフルートです。

初代ロットコニカルベーム

Louis Lot 総銀製
2代目 H.D.Villette(1876-1882) 3200番台(1882年の作品)

2代目のルイロット、ヴィレッテ世代による作品。完全オリジナルで2代目ならではの珍しいシステムは保存に値する博物館級です。前のオーナーはフルート奏者で作曲家のゲイリー・ショッカーでした。魂レベルが違います。音の響の中に、何か言っているのが聴こえて、楽器の奥深さを知らされます。

ヴィレッテ

Louis Lot 総銀製
4代目 E.Barat(1889-1904) 5500番台(製造年不明)

4代目のルイロット、バラット世代による作品です。吹く毎に魅力に囚われ、恋い焦がれてしまう、まさにこのフルートは、ずっと吹いていたいけど、使うのがもったいないと思わせるような、本当に美しい相棒です。オールドにしては音程もいいし、派手で華やかなので演奏会で使います。ホールで吹くと遠くまでよくのびます。

バラット

Louis Lot maillechort (マイショー管)
4代目 E.Barat(1889-1904) 6980番台(1902年の作品) リッププレート銀製

4代目のルイロット、バラット世代による作品です。当時のフランスのmaillechort(マイショー)の音色は甘いお砂糖の様です。自分の中で一番気が合う楽器です。軽くて割とどんな体調でも、喋りながらでもい音を出してくれるので、レッスンの時はほとんどこの楽器を使います。それでいて柔らかく、パワーもあるので助かります。

バラットマイショー

August Richard Hammig 木製
グラナディラ 2100番台 1940年頃の作品

リヒャルト存命の頃の作品です。初めて所有した木製のヴィンテージフルートで思い入れがあります。初代オーガスト・リヒャルトの手によるこの楽器は本当に美しい音色で、楽器が音楽を知っていて、「こんな表現もあるよ」と、自分に話しかけてくる気がしてなりません。希少価値の高いこの美しいフルートを、私はきっと生涯持ち続ける事になると思います。様々な思い出を共有する最良の友です。

A.R.ハンミッヒ

Anton Braun 木製
グラナディラ 60番台 1990年代の作品

現代の楽器のブラウンですが、その性能と個性的な音色は、オールドに魅せられた今も自分の興味を離しません。オールドに比べると吹きやすいですし、音程も音量も問題なく、それでいて音色も柔らかく、艶やかです。安心と信頼を寄せられる、頼もしい楽器です。

ブラウン

A.K.BERNDT 半木製
グラナディラ 製番なし 1930年代の作品

これは知る人ぞ知る楽器で、当時ザクセン州のVogtland地域には管楽器だけでなく、ピアノやリュート、弦楽器やアコーディオンなど、たくさんの楽器メーカーがあり、良質な材も豊富だった時代のものです。この地域のフルートメーカーで有名なのはMarkneukirchenのHAMMIGや、LeipzigのMONNIGですが、他にもたくさんのフルートメーカーがあって、A.K.BERNDTは、Vogtland地域の傑出したメーカーでした。木製フルートと金属製フルートのいいとこ取りな感があります。メタルのキンキンした感じが少なく、ウッドのモコモコした感じも少ないです。でもやはりどちらかというと、ウッデンらしく、柔らかく丸く、潤いがあります。指への振動が感じられます。半木管ならではの剛健さも感じます。木の響きは飽きません。

ベルント

Philipp Hamming 650/4LTD 木製ピッコロ
管体グラナディラ材、E,G#メカニズム、キー銀製 19600番台。頭部管にはゲルハルト・ハンミッヒのウェーブ管

とてもいい音がします。他のピッコロを吹くと、物足りなく思うほど。本物の響きを持ち、音楽的に歌うということを証明してくれる楽器です。素晴らしい技術者にオーバーホールしていただいてから更によくなり、フルートと同じ練習メニューをこのピッコロでする様になりました。ピッコロでの基礎トレーニングは、底力がつく感じで気に入っています。

ピッコロ

YAMADA
グラナディラ

後世に継承したい楽器です。世界中探しても、こんなにオーラを感じる楽器もそうはありません。そして画期的なシステムを山田さんが考案してくださいました。特殊Gisレバー、Fisメカ、滝沢仕様の頭部管他、ギズモキーのデザインや、Esキーのティアドロップなど、魅力満載です。素晴らしい木質から紡ぎ出される響きは、山田さんのお人柄そのものです。

ヤマダ

Miyazawa Atelier-1
頭部管銀製 管体・キイ=洋銀製 銀メッキ仕上げ

体験レッスン用、稀にある屋外本番用、もしくはPAの入った本番などで使用しています。他の楽器を修理中にメーカーから借りた非売品だったのですが、あまりにいい音色で気に入ってしまい、無理を言って売ってもらいました。

ミヤザワ

Pearl PF-501EU
管体・キィ:洋白頭部管:U字型銀メッキ仕上げ。カバードキィ、Eメカニズム付き.

幼児のレッスン貸与用ですが、とてもいい音がします。U字管でも十分演奏レベルの音色と表現力が備わっているので、楽器が重く感じるご年配の経験者の方にもいいかもしれません。通常の頭部管に差し替えて演奏すれば普通の洋銀フルートです。

U字管

Eugene Crijnen/G.A.Rottenburgh *Flauto traverso
ボックスウッド、人工象牙、銀

18世紀オランダのG.A.ロッテンブルグのトラヴェルソ、クライネンの作品です。トラヴェルソはベーム式フルートに挫折した人が向かう楽器だと、とんでもない勘違いをする人がいますが、トラヴェルソにはベーム式と異なる難しさがあります。トラヴェルソとベーム式、お互いにを学ぶことで、新たな境地、表現、技術に出会えます。

クレイネン