長年愛用してきた楽器です。良い状態に保つため、毎日のように息を入れ、大切に育て、育てられてきました。この歴史的、博物館級の楽器を継承していただける方との出会いがあれば嬉しいです。
◎製番3200番台(写真では赤で隠しています) ◎円筒型ベーム式 ◎総銀製 ◎総巻管 ◎リングキー ◎C足部管 ◎ピッチ:a440前後(442で可能です) ◎Eメカなし ◎ケース・鍵はオリジナルが現存。 19世紀~20世紀フランスのフルート制作の名工、ルイ・ロットのオリジナルのフルートです。フルート専門の工房で2021年に完全オーバーホール済みです。 このフルートは2代目のルイロット、Villette世代による作品です。2代目ならではの珍しいシステムは保存に値する博物館級です。前のオーナーはフルート奏者で作曲家のゲイリー・ショッカーさんでした。 ルイ・ロットのフルートは、オリジナルの状態では滅多にお目にかかれないものですが、このフルートは歌口はじめ、キーワークの変更やヘッドジョイントのカットもされていない極めて状態が優れたフルートです。一点だけ、頭部管のリングが数ミリ上へ移動されています。ゲイリー・ショッカーさんが、ヘインズの主管にこの頭部管を合わせて使うときのために動かしたと聞いています。 ロットは音程が難しいと言われます。確かに現代の楽器に比べれば微細なコントロールが必要です。様々なコンサートで使用しましたが、冬場でもヘッドジョイントを全て入れればa442でチューニングでき、音程バランスの使いにくさもほとんどなく、許容範囲のものです。 初代ロット同様、その音色、表現は魂レベルが違います。巻管だからなのかわかりませんが、どんなアンサンブルでも埋もれずに浮き立って聴こえる響きがあります。 銀が黒く変色しているので巻管の筋がよくわかります。変色は専門家が磨けば綺麗になりますが、音色面からこのままをお勧めします。 専門家である私が長年使用してきた楽器で、ほぼ毎日吹いて大切に扱ってきました。現在も安定しており、演奏レベルにあります。 ジョイント合わせのためのピンクのマニキュアはご希望であれば除去します。 ご質問があればご遠慮なくお申し付けください。良いご縁があれば嬉しいです。 ▶︎この楽器で演奏してみました。ご参考ください。 J.S.バッハのパルティータからサラバンドと、C.P.E.バッハのソナタからポコ・アダージョと、C.ドビュッシーのシランクスです。
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