-音量を変える言葉-

単純に「音量」の大小で音楽を考えるということは危険なこと。和声の緊張感だけでも、自然と強弱は変わる。「強く」演奏するだけだと、その結果、音は大きくなるかもしれないが、雑音も増え、音楽の流れを止めてしまうことにもなり得る。「小さく」演奏するだけでは、芯のない弱い音になり、音楽の土台が崩れてしまう。「大きい、小さい」が自然に感じられる様な、別のわかりやすい表現で補い、想像力を働かし、常に「響き」があって、美しくある事が必要である。

■ crescendo ■

元の動詞は「crescere 」1.成長する。2.育つ。3.(草木などが)生える、伸びる。4.(量、声、勢いなどが)増す。5.進歩する。その反対のdecrescendoは「decrescere」で、低下、減少、縮小、減退の意味がある。どちらの言葉も、単に音量が大きくなったり、小さくなったりするといった以上の、様々なニュアンスが含まれている。

■ diminuendo ■

「diminuire」減らす、減少させる、少なくする、小さくする。dim. と decresc. は、辞典では同じ意味のようだが、dim.には、音量が小さくなると同時に、rit.のニュアンスも含まれる。decresc.には、それはない、と解釈し、区別する解釈もある。実際にシューベルトのように、この2つを区別して使っている作曲家もいる。