純正律でのハーモニー

平均律は、オクターブ以外は、全ての音程が、ピッタリとハモル音からは、少しだけずれている。よって絶えず微妙なうねりを生じている。その代わり、どんな和音を演奏しても均等にずれているので、チューニングを変えず、全ての調に転調することが可能。19世紀以降は音楽は平均率で演奏されている。しかし、管楽器や弦楽器は、簡単に音程を修正できるので、やろうと思えば、完璧にハモる音程、つまり純正律で演奏することができる。

3度
純正律の長3度は平均律のそれよりも14セント低い。(純正律の短3度は平均律のそれよりも16セント高い)
例えばdoに対して純正律のmiとのハーモニーにはうねりがなく綺麗。
しかし平均律のmiとのハーモニーにはうねりが生じる。
うねりというのは、音が大きくなったり小さくなったりする波の様なもの。

5度
純正律の完全5度は平均律のそれよりも2セント高い。
例えばdoに対して純正律のsolとのハーモニーにはうねりがなく綺麗。
そして平均律のsolとのハーモニーには、ゆるやかなうねりが生じる。
たった2セントの違いなので、純正律と比べてもそれほど大きな乖離がない。
完全4度も2セントの差で平均律より低くなるが、そこまで気にならない。
ただ、増4度や減5度となると、31セントの差が出てくるので、かなりうねりがキツイ。

6度
純正律の長6度は平均律のそれよりも16セント低い。(純正律の短6度は平均律のそれよりも14セント高い)
例えばdoに対して純正律のlaとのハーモニーにはうねりがなく綺麗。
そして平均律のlaとのハーモニーにはキツイうねりが生じる。
平均律の6度は全然美しくない。

それでは音楽は純正律の方がいいのかというと、必ずしもそうではない。
純正律が綺麗なのは、せいぜい3和音。
メジャーセブンスやナインスなど、4和音以上の音数になったらもう綺麗には響かない。
複雑なハーモニーは、平均律という前提で考案され、発達していった。

実際の楽器はもっと複雑な倍音を含んでいるし、ほとんどの楽器はヴィブラートをかけて演奏する。
ヴィブラートはわざとうねりを作っているわけなので、純正律は成り立たない。

純正律にした方がいいのは、オーケストラのホルンやクラリネットが単純な和音で演奏する時、
微調整してピッタリ純正律にすると気持ちいい、という程度。
平均律より純正律の方が優れているという考え方は、間違いではないが、金科玉条ではない。