2017年

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10月

パワースポット

«2017.10.1.土曜日»

筥崎宮へ。自我執着を捨てることを祈願してきた。樹齢800年の楠木もある。



9月

こころ一つの置き所

«2017.9.30.土曜日»

最近お気に入りの言葉、「色即是空」。他人を自分の如く愛しなさい。すべての物を自分の如く愛しなさいという、お釈迦様の教えだ。理不尽なことがあってもこころ穏やかに。自我執着を捨てる。この穏やかなこころで演奏すると、余計なものが削ぎ落とされ、自我は僅かに、にじみ出るのみになり、作曲家の求める音楽が見えてくる。ぼくはこんなに大変なんだ、頑張ってるんだ、などの厳しさが音に出てはいけない。難しい修行だけど、頑張らないことを頑張る。やってみよう。ついては10/11のリサイタルに際してのこころの置き所。バッハは「懺悔のこころ」、シューベルトは「清らかなこころ」、ゴーベールは「画家のこころ」、プロコフィエフは「闘わないこころ」。

愛すべき存在

«2017.9.29.金曜日»

長い散歩をした。空の青が美しい。雲の白が可愛らしい。愛すべき存在。自然からいただいたパワーと感覚の蓄積は、音楽を歌う時に音に乗って放たれる。表現もだけど、音色そのものが自然の中にあったものだったりもする。自然は尊く、人の脳や感覚も尊く、愛おしい。色即是空。



Museum Quality Silver Villette

«2017.9.27.水曜日»

Louis Lot 2代目のVilletteによる総銀製。トラッキングを楽しみながら、ボストンから昨日届いた。現在でも大活躍の有名なアメリカのフルーティスト、S氏が所有していた楽器。頭部管のリングが約1.6mm動かされているが復元可能。a440の完全オリジナル、初代ロット円錐管に続いて博物館級の楽器だ。

梱包をほどいて楽器と対面する時の思いはいつも特別だ。そして挨拶をし、静かに息を入れ、対話を始める。お互いの事を想像しあいながらの時間。30分ほど経ち、あまりの美しく優しい音色と、135歳とは思えないほどのコンディションに、涙があふれてきた。

尊敬する楽器製作者の方が言った言葉がまさにこの1年を象徴する。"ヴィンテージにおいてはそれが過去の現実であり、好みではなく、吹いてそれを自分で知る、という感性が求められる" 

現代の楽器の発明は素晴らしい。奏者より、楽器の方が、かなり仕事をしてくれる。それは演奏を確実にするもので、奏者のテクニックの未熟さや、ソルフェージュ能力の低さ、集中力の欠如、などを補ってくれる。音量は大きく、限りなく平均率的な正確な音程で、フィンガリングも跳躍もアタックも楽で吹きやすい。その上、聴く人にもわかりやすいので現代の楽器を使うのがいいに決まっている。

それなのに、なぜヴィンテージに取り憑かれ、演奏するのか。単純だ。音楽的だからだ。丸く柔らかく、よく響く音色でよく歌う。作曲家と演奏家と、楽器製作家の心までも描いてくれる。オールドは音楽をよく知っている。そして演奏するのが難しいので体幹が鍛えられ、技術も得られる。楽器から学ぶことが多いのだ。現代の楽器は吹きやすい分、失われた事も多い。

音作りはすなわち音楽作り、毎日いつも音楽を探し求めている。この1年で出会えた楽器たちはみんな厳選されたもので、それぞれに色と性格を持っている。そこに訪れた1882年製のVillette。総巻管で改造なしの現代ピッチ可能な総銀製。ついに来てしまった。

好きな言葉、思いの種は行いとなり、習慣となり、人格となり、運命となる。願えば叶う、時々素敵なことが訪れる、夢のある人生と音楽に感謝。




自然の中から音楽を

«2017.9.20.水曜日»

暑い夏が過ぎて秋になると、散歩が気持ちいい。集中極まる練習のあと、疲れたメンタルを緩めて、自然の中へ。新鮮な感覚と鋭気を蓄え、癒されながら、満たされながら、ゆっくり歩く。木々や草花から、川の水から、風から、空から。鴨、亀、魚、鳩、猫、30分歩くだけで、色んな動物にも会える。そして音楽にも。




笛の歴史

«2017.9.3.日曜日»

G.A.ロッテンブルグの1キートラヴェルソ(ボックスウッド)、初代ルイロットの円錐管ベーム式(コーカスウッド)、6代目ルイロットの円筒管ベーム式(総銀製)。18世紀、19世紀、20世紀のフルートを並べてみる。美しいオーラと、高貴かつ艶やかな音色で心を満たしてくれる。宝物だ。



8月

シナプス

«2017.8.26.土曜日»

シナプスでは、電気信号を化学物質の信号に変えて次の神経細胞に情報を伝達している。電気信号が伝わってくると、シナプスにある小胞から「神経伝達物質」という化学物質が、シナプス間隙に分泌される。神経伝達物質が、次の神経細胞の細胞膜にある受容体に結合すると、電気信号が生じて情報が伝達される。シナプス間隙の伝達にかかる時間は、0.1~0.2ミリ秒ほど。(RIKEN Brain Science Instituteのサイトより)

シナプスの働きを意識して鍛えること。そのためのトレーニングが必要で、加齢に打ち勝つためには特に必須だ。ピアノを弾く、歌う、和声を分析する、スコアを読む、などのソルフェージュの基本訓練を継続し、初見力、読譜力を鍛え続けることで、集中力を維持向上させる。表現は技術の上に立ち、技術はシナプスの上に立つ。


30分間、試練と幸福と

«2017.8.14.月曜日»

10周年記念のイベントとして、特別発表会を、あいれふで行った。一人30分の演奏。お弟子さんたちは、人生初の喜びと試練の中にいたと思う。やってよかった、幸せだった、と思ってもらえれば嬉しい。演奏は、人の心の中に残って、自分の心を満たすもの。純粋になれる尊い時間をかみしめてもらえたら嬉しい。体力、知力、想像力、もっと楽しみを知るために、もっと自分を鍛える努力を惜しまない。自分がそうあり続けるために、弟子にも厳しくある事が必要だ。


7月

とらのすけ

«2017.7.28.金曜日»

フラウト・トラヴェルソ、またはバロックフルート、禁断の領域だ。。。
ウジェーヌ・クレイネン制作の、G.A.Rottenburgh。
めちゃくちゃいい音がする。ついに知らないでは済ませられなくなった、古楽器の修行・・・
苦行とも言える。
円錐管ベームより過去へは、行きたくても、行かないように決めていた。多分、それは自分にとって一番魅力ある、最大の関心の世界というのが、なんとなくわかっていたから。
でも、一歩、ほんの一歩だが、入ってしまった。昔の楽器になればなるほど難しい。オールドヘインズより、ルーダルカルテより、ルイロットより、そして初代ルイロットの円錐管ベームよりも、ハードルが高い。これらの楽器を吹いて来て、その難しさを超えたところに、新たな技術を得た自分が現れるのを、知ってしまったから、可能性への興味がトラヴェルソへ向かわせてしまった。
100年前のクレイネンの、1760年代のG.A.ロッテンブルグの復刻。
5年後を目処に、ベーム式同様にまで吹けるように、運指と音程を体に入れていくことから少しずつ、始める。ソルフェージュが鍛えられる。クイケン先生の神の音を何度も聴きながら。。。


パウちゃん

«2017.7.19.水曜日»

パウちゃん?、パー子ちゃん?、まだ名前がちゃんと決まらないけど、お迎えしてしまった。。

欲しかったカバードでC足の、"オールドパウエル"。

本当は、少し前にオールドヘインズの木製のすっごくいいのがあったのだけど、ピッチがa=437で、頭部管めいっぱい入れてもギリ440、とても442平均律のピアノとは全く溶ける気配なく、泣く泣く諦めた。

木製はなかなかいいのがない。稀にあっても、カビの匂いが取れないとかもあり、難しい。

木製ヘインズと同時に、オールドヘインズの黄金期以前のヘビー管を何本か試奏したが、ピンとくるものがなく、それならいっそオールドパウエル、と思いたち、探しはじめたらニューヨークでいいのを見つけた。

7年くらい前まで、現代パウエルのゴールドを吹いていたが、故障が絶えず、月1の頻度で修理しても治らなくて、数年使っただけで手放すしかなかった。音色は気にいっていたし、大金出して買った19.5Kだったので、出来の悪いものにあたったことが本当に悲しかった。それ以来、パウエルは好きじゃなくなってしまい、念頭にもなかったのだが、オールドパウエルには、最近密かに関心を抱いていた。

2代目ゴッドフロア時代にルイ・ロットがいたのと同様、ヘインズの名工としてパウエルがいた。ゴッドフロアもルイ・ロットも現存していないが、ヘインズやパウエルは今でも続いている。ただ、商業主義の現代ではすべてを継承していくのは難しいのだろう。現代のパウエルにはない音がオールドには残されているはずだ。

オーナーにメールで質問して不安点は解消していた。でも試奏しないで買うので最高にドキドキする。ちゃんと届くかな、状態は大丈夫かな、などハラハラしながら1週間過ごし、ニューヨークからFEDEXで今日届いた。アメリカからフルートを輸入するのはこれで3度目。毎度、来るまでのトラッキングが楽しい。

海を超えて、はるばる長旅、こうしてウチに来てくれた。今日吹いた感じではコンディションは問題なし。音も美しく、少し真面目なキャラだが、ちゃんとした楽器だ。これならオーバーホールの必要なく、調整だけでいけるかもしれない。ラッキーだ。これからパウちゃんと過ごす楽しい時間が多くなるだろう。

くわちゃん

«2017.7.14.金曜日»

くわちゃん、すっかりウチの子になった。


6月

くわちゃん

«2017.6.30.金曜日»

ウチのマンションの入り口に、瀕死でいたクワガタ。連れてかえってリンゴジュースや昆虫ゼリーをあげたりしたら、元気になった様子。新しいペット。


10年によせて

«2017.6.25.日曜日»

2006年6月28日業者と契約、7月16日搬入。

35歳、8年のブランクの後、フルートの道に、再び戻されて行くスタートラインだ。

月額8万円のテナントを借りるために家賃3万円のアパートへ引っ越した。はじめのうちはピアノを売りながら、仕入れや広告で貯金を使い果たし、沈没しかけたこともあった。演奏から離れていた8年間を取り戻すかのように音楽に没頭した。縁もゆかりもない福岡で音楽活動をするなんて、今思えば無謀な決断だったが、何もしがらみがないからできたとも言える。

下の写真は懐かしい当時の事務所。


35歳は音楽家としては成熟しているべき年齢。際立つ才能もない上に、20代を長年のブランクで消費した自分は、今更誰かに教えを乞うこともできず、年齢にそぐわない現状の中、本番から学び、共演者から学び、お弟子さんを教えることで学び、失われた時間を埋めるようだった。

はじめのうちは営業にでかけ、宴会やスナックのBGMでも、J-POPも演歌もアニメも唱歌もジャズも、どんな仕事もやった。やがて軌道修正をし、せっかく音楽の道に舞い戻ったんだから、貧しくても、お客さんに受けないとわかっていても、自分に鞭を打ってリサイタルや自主公演で、やりがいのある芸術的価値の高い作品に取り組めるように動いた。学生の頃、一生に一度、リサイタルができたらいいと、夢を描いたものだ。2008年の初めてのリサイタルを皮切りに、10回リサイタルをしたら死んでもいい、と腹をくくり、毎年恥をかきながら、今年の10月の公演で、気がつけば10回になる。

10年の間の出来事全ては今の自分の糧になっている。たった一人で始めて一人でやってきたつもりでも、多くの方の力を借りて、助けられて、出会いと縁に導いていただいた。

2010年に今の場所へ移り、今年2017年、46歳の今、思うこと、それは人間の体ってすごい、楽器ってすごい、という実感と、音楽の道に戻されたのは何か見えない力に突き動かされたかのようで、本当に幸運だったと思う。

体は10年前とは全く違うものになった。体重自体が18kg増えたのもあるが、呼吸も、フォームも、集中力も、ソルフェージュ感覚やボディバランスや思考は、当時自分が期待したもの、想像を凌ぐものを得られた。人間の体の可能性は無限だ。到底自分には無理だと思っていた技術も、毎日の継続が可能にしてくれる。到底自分には叶わないと思っていた表現も、技術を磨くことで少しずつだが近づくことができる。近づけば、離れて行く、それが芸事の厳しさだが、何をすればいいかが鮮明に解っただけでも、この10年の成果と言える。

好きな楽器の趣向もまるで変わった。以前は音量や精緻なメカニズム、限りなく平均率的に正確な音程など、合理性に秀で、演奏の確実性を高めてくれる現代の楽器、それも20金などのパワフルな楽器を好んで演奏していたが、ここ最近ではオールドの魅力に取り憑かれ、音量や音程の合理性よりも、品格ある音色、さめざめと泣き、語り、色彩に富み、香り漂う、オーラも美しいフルートを好んでいる。音量が小さい事や、音程のコントロールが難しい、フィンガリングが困難、などの弊害は、体を響かせる技術を高めれば補うことができるはずで、そう信じて練習することにより、現代の楽器では得られない進化を遂げられると思えるようになった。

木製円筒管はもとより、19世紀の銀、円錐管ベームまでを入手し、本来の笛の音を知ることが楽しい。ルイロットや、オールドヘインズや、ルーダルカルテ、A.R.ハンミッヒや、A.ブラウンが、友であり師であり、またこれらの楽器は、長い間息を入れてもらえなかった者達なので、自分の8年のブランクと重なるように、吹けば吹くほどに熟成し育っていくので、相互にトレーニングパートナーでもある。

自分のような凡庸な人間が、特別な音楽であるクラシックを続けていられるのは、極めて稀有なことだと思うから、この10年に得たことを活かして、さらに新たな進化を遂げられる様に、これから先の10年も環境が許されるあいだ、思いのままに、音楽に自分の全てを投じて行きたいと思う。


10回目の発表会

«2017.6.11.日曜日»

気がついたら、10年経っていた。ありがたいことと、稀有なことと、あらためて思う。


5月

好きな川

«2017.5.25.木曜日»

この空気、この匂いが好きだ。


4月

ルイロットお父さんおかえり

«2017.4.30.日曜日»

アメリカから届いたあと、およそひとつき、修理に行っていたロットのシルバー、"お父さん"。素晴らしくなって今日帰ってきた。これからこの笛との時間が増えるだろう。


芽吹き会2017

«2017.4.29.土曜日»

4/16に実施した第5回芽吹き会。タラス氏と一緒に。


今年の桜

«2017.4.3.月曜日»

時々会う白い鳥。遅咲きの桜。絵画の様な空の青。


3月

ヘインズ帰宅

«2017.3.20.月曜日»

再修理からようやく戻ってきたヘインズ。久しぶりのヘインズの音色に楽しい夜。4オクターブ目のC,Cis,Dが楽に出て嬉しい。来月のクラリネットとのデュオの曲、ムチンスキー、ヴィラロボス、ショッカー、ドルフなどに頻出のため、ヘインズの帰宅が待ち遠しかった。


ルイロットお父さん

«2017.3.11.土曜日»

昨日、ルイロットの総銀製が、ぼくのところへ来てくれた。

昨年の夏、人生初めてルイロットを吹いたのが6代目の総銀製だった。完全なオリジナルで美しい音だったが、ある不具合を機に購入を断念した。それが始まりで、オールドの音色にはまり、次第に現代の楽器は吹きたくない体質になって、持っている現代の楽器を売りながら、いいオールドと出会うたびに興奮して入手してきた。時には試奏はしたが音程の問題や機能性、木質の状態や匂いなどが原因でオーナーに戻すこともあった。または購入してオーバーホールもしたのに、回復しなくて返品するようなこともあったが、それもよい勉強代だった。そしていよいよ通帳の残高が危なくなってきたのに、今回のフルートに出会ってしまった。

ルイロットは初代木製のコニカルベームが来て、4代目マイショー管が来て、両方とも素晴らしい完全オリジナルコンディションで大満足だが、初代はピッチが435なのでピアノとの本番ではまず使えない。4代目マイショーの音色は、地味だが優しく柔らかくて大好きなのだが、やはりパワーに欠けるところがあって強い印象を与えたい曲や編成の大きいアンサンブルでは不向きかもしれない。

自分はウッデンフルーティストのつもりなので、本当はルイロットの、ベーム円筒管のa440可能なオリジナルを探していたが、なかなかないのは百も承知。だから、総銀製が出たらそれで、と思っていた。。。

今回見つけたのは、アメリカの某音大、古楽器科教授のコレクション。コレクションなので、だめもとで譲ってくれるかどうか尋ねてみると、OKとの返事。英語でのメールや電話のやりとりを1週間毎日、何度も経て、昨日、海を超えて到着した。。教授とは言え、カード情報を伝えたり、個人取引には不安もあったが、とても信頼できる人で本当によかった。ルーダルカルテもアメリカから輸送したのだが、購入したのはニューヨークの有名な楽器店だったので、英語でのメールは数回、電話は1回だけでよかったし、サイト内で決裁できたから楽だった。

今回のルイロット、6代目の後期なので、初代のようなこの上ない天上の様な音色とはいかないが、頭部管の切断も歌口のリカットもなく、トーンホールの改造もない、a442可能な完全なオリジナルだし、ミントコンディションなので安心していたが、ひとつだけ、懸念していたのが、パッドにストロビンガーを入れている点。教授は、ロットにはトラッディッショナルフェルトが正しいと言いながらも、ストロビンガーもいいから吹いてみてと。。嫌なら変えることにしていた。昨日早速吹いてみて、嫌ではないけど、やはりフェルトの方が柔らかくていいし、他にバネの調整やコルクの交換などもありそうなので近日リペア入院させることになるだろう。素晴らしい状態のよい音色の楽器!本当にこれで最後になるはず。ゴッドフロアがもうすぐ修理から戻ってくるし。。

「お父さん」というネーミングは、製番が、103**だから。。でも吹いたら、男性的でどっしりとした音で名前もぴったり。ちなみにマイショーの「ショーコ」は女性的な音で学級委員的な真面目な音だ。ショーコが今すごくよくて、メインフルートになっているが、もったいないので、練習に使うのは2時間を上限にしている。これから、「お父さん」がどんな立ち位置になってくれるか、育てるのが楽しみだ。

吹いてみてわかったことは、やはり銀製は音がしっかりと太く、芯があってエスプレシーヴォが効く。比べるとマイショーはやはり軽やかであるということ。それから、銀は安心してハードにさらえる。マイショーはメッキの剥がれとか、耐性に少し不安を感じてしまうので、ハードに使い倒すことに遠慮がちになる。マイショー、すごくいいけど、やはりプロフェッショナルの楽器は銀なんだなという実感だ。少なくとも、現代の国産の総銀製よりロットのマイショーが断然いい!そして現代の金製よりロットの総銀製や木製がはるかによい!何がよいか、一言では言えないが、あえて言うなら、「香り立つ」かどうか。

でも実は、ロットだけを吹いていたいと思いながら、ルーダルカルテのFelixをつい吹いてしまう。それは単に難しくて悔しくて、だけではなさそうだ。最近少し吹きやすくなってきてわかったが、このルーダル、相当魂を持っている。いい笛がたくさんあって、幸せだ。


2月

Felixその2

«2017.2.16.木曜日»

おかわり自由のインドカレー屋でライスのあとにナンをおかわり。かわいい鴨の休憩。

修理後一週間のルーダルカルテ、木が馴染んで少し音が出しやすくなってきたが、相変わらず自分史上最難関のフルート。じんわり構えて取り組みたい。

今日から一週間は、Alexander Eppler氏製作のH足部管を装着して木のリハビリ。ただでさえ太くて重い楽器が、更にヘビーに。このH足は現代の製作家によるためか、C足より息が通りやすく繊維質も少なめで耳には優しい音だ。ギズモも付いてるので4オクターブ目のC,Cis,Dも出るがなぜか3オクターブ目のHが出にくい。木製オールドの宿命で、ルーダルのC足だと4オクターブ目は全滅だがHはマシ。C足の方が繊維質が多めで吹きにくいが、より木質で濃厚でエモーショナルなので、H足のリハビリの結果次第でどちらを主に使うかを決める。この楽器を吹いたあとは何でも楽に吹ける。115年前のルイロットが抵抗なく扱え、27年前のブラウンにおいてはヤマハやムラマツ並みの吹きやすさに感じる。これは星一徹並みのスパルタフルートだ。


Felix

«2017.2.12.日曜日»

約2ヶ月ぶりにオーバーホールから戻ってきたルーダルカルテ。名前はFelix。いろいろと問題の多い楽器でボロボロだったが、しっかり修理してもらい、ケースも新調した。このフルートは手強い。10年以上眠っていたであろう木を眠りから覚めさせ、育てないといけない。

届いた初日はあまりにも音が出にくくて面食らった。二日目、三日目と少しずつ出るようになってきた。正しい奏法でないと美しい音にならない楽器、そういう楽器は体を開発してくれるし、よくなると本当に美しい音になる。これまでの3本の木製を吹いてきてそれはよく知っている。とにかく最初はきつい。そして木の変化が面白い。この楽器、1年後にどうなっているか。なんとか使えるようにしたい。

写真はアメリカのfelix skowronek先生。この楽器の前のオーナーだ。イギリスの伝統ある音色を知りたかった。Felix先生の笛への思いから多くを学びたい。


くるみ

«2017.2.7.火曜日»

まだブログに載せていなかった、「くるみ」。



1月

珍しい色の鳩

«2017.1.31.火曜日»

カフェオレ色の鳩に出会った。鴨の休憩もかわいい。


リペアのこと、ヘインズとルイロットのこと

«2017.1.26.木曜日»

今日、ヘインズが修理から戻って来た。1ヶ月弱ぶりの対面。調整だけでなく、違和感のある箇所を細かくリクエストしていた。そうして届いた笛を吹いてみると、見事に全て解決されていて感動。技術とはこうあるべき。オールドの整備は本当に難しいと思うから、できる技術者は少ない。その中で自分の感性に合う音作りをしてくれる技術者は稀少な存在だ。

素晴らしく仕上がったヘインズ、よりヘインズらしい音色になった。でも、そのあとルイロットを吹くと、マイショーにもかかわらず、総銀製の黄金期のオールドヘインズがいっきに薄い響きに感じてしまう。わかっていることだが、それだけロットは別格ということ。上質の極みを改めて認識した。

さて、来週の本番ではルイロット初代エスプリの、コニカルベームのコンサートデビューをもくろんでいる。CPEバッハのハンブルガーソナタWq133、この難曲を円錐管で本当にちゃんと吹けるか...。扱いにくさの極みの楽器だが、ロット初代は本当に質の高い音がする。もともと熟成されている楽器だが、それがさらに、日増しに美しい音になっている。反面、メガネキーはなかなかコントロール困難で、耳と精神を鍛えられる。


ウェブサイトリニューアル

«2017.1.21.土曜日»

サイトのリニューアル、これで何回目だろうか。2006年から4,5回しているかもしれない。前回が2014年にしたので1年置きに、そして年明けの時期にしたくなるのか。。とりあえず今日全てのデータが完了したので、転送。

自然

«2017.1.15.日曜日»

いつ病気が出てもおかしくない年齢になってきたが、できれば生涯健康でいたい。散歩は体にも精神にもよい。今日も寒かったけど、川に沿って歩くと冷たい風も気持ちいい。雲を見て太陽の光を浴びて、木の香りや水の流れに体の浄化を感じる。鴨はいつも優しく迎えてくれて、鮒や鳩や猫にも会える。